小惑星探査機「はやぶさ2」が地球に送り届けるカプセルを回収するため、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の回収班が11月から順次、豪州入りする。30日には神奈川県の相模原市役所で壮行会があり、回収主任を務める中沢暁(さとる)プロジェクトサブマネージャが「豪州の真夏の炎天下に加え、新型コロナウイルスの感染拡大で回収は難しさを増しているが、確実に持って帰りたい」と意気込んだ。
はやぶさ2は12月6日、豪州ウーメラ地区の上空にカプセルを放出する。JAXAは前回、100人以上の回収班を現地入りさせたが、今回はコロナ禍で渡航そのものが危ぶまれた。日豪が交渉し、最小限の人数だけチャーター機で現地入りすることが認められ、まず14人の先発隊が11月1日に羽田空港から出発することになった。
14人はすでに国内で隔離生活に入っており、豪アデレードに到着してからもホテルで2週間隔離し、症状がないことを確かめてからウーメラに移動する。その後、本隊の59人が来月9日に出国。計73人がカプセル回収に備える。
相模原市役所では10月30日、本村賢太郎市長らが出席して壮行会が開かれた。現地入りする回収班のメンバーは感染防止のため、オンラインで参加した。初代が帰還した時に現地で回収班長を務めた国中均・宇宙科学研究所長は「9年後にも火星の衛星からのカプセル回収を豪州で行う計画が進んでいる。初代に続いてはやぶさ2でも回収を成功させ、次の計画に経験を反映していきたい」と話した。(小川詩織)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル